【あなたの暮らしにコーチング】沈黙~待つことで引き出せる相手の本音~

こんにちは。コーチ・オンリーワンの上野和禎です。 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ、公認心理師、社会福祉士という3つの視点から、皆さんの日常や人間関係を豊かにするヒントをお届けしています。
今回は、2026年6月15日放送のラジオ番組『Morning CloseUP』で紹介した、「沈黙~待つことで引き出せる相手の本音~」のお話をご紹介します。
目次
相手への質問後の「沈黙」は気まずい時間?
仕事や家庭で相手に何か質問をしたあと、相手が黙り込んでしまったとき、あなたはどうしていますか?
「自分の質問が悪かったのかな」「早く助け舟を出さなきゃ」と気まずくなって、つい自分が何かを話しかけたり、代わりに答えを言ってしまったりしていませんか。
例えば、親と子の対話では特に、親が子どもに問いかけてすぐに返事が返ってこないと、親が自分が持っている答えを言ってしまったり、「早く言いなさい」と急かしたりしまいがちです。
また、職場で上司が部下に「この前の会議、どうして発言しなかったの?」と聞いたとき、部下が黙り込むと、耐えきれずに「体調が悪かった?それともテーマが難しかった?」と言葉を足してしまうことがよくあります。
しかし、コーチングにおいて、この「沈黙」は実はとても大切な時間なんです。
沈黙の間に相手の頭の中で起きていること
こちらが問いかけて相手が黙っているとき、相手は何も考えていないわけではありません。
頭の中で「どうしてだろう」「あの時は意見がまとまらなくて…」と、一生懸命自分の考えを深めたり、整理したりしている最中なのです。
そこで急かして口を挟んでしまうと、せっかく相手が考えを深めようとしているのを邪魔することになってしまいます。
沈黙は「気まずい空白」ではなく、相手が答えを探すための「大切な余白」なのです。
「信じて待つ」ための姿勢
「相手は必ず自分で答えを見つけ出せる」と信じて、ゆったりと構えて待ちます。
急かすことなく相手が話し始めるのを待つことで、相手が自身の内側からアイデアや思いを言語化する可能性が高まります。
人のコミュニケーションのタイプは様々です。中には、物事を順序立ててロジカルに深く考えるタイプの人もいて、言葉を発するまでに時間がかかります。
これを「最適な判断に近づくための時間」と前向きに捉え、相手のペースを尊重することが大切です。
沈黙が長いときの助け舟「メタ・コミュニケーション」
いくら沈黙の間に待つことが大事とはいえ、あまりにも沈黙が長く続きすぎた時はどうすればよいのでしょうか。
相手が質問の意味を理解することが難しく、苦しそうな表情をしていたり、なかなか考えを言語化できずに視線が泳いでいたりする場合は、優しく助け舟を出すことも一つの方法です。
その時に効果的なのが「メタ・コミュニケーション」というスキルです。
これは、会話の内容から一旦離れて、「今、ここで起きている沈黙そのもの」を話題にする方法です。
「なんで黙ってるの?」と問い詰めるのではなく、
「今、どのようなことを感じていますか?」と、相手の状況や気持ちを確認します。
そうすることで、相手を責めることなく、自然に会話をリセットし、お互いがホッとできる空間を取り戻すことができます。
まとめ:沈黙も会話の一部
沈黙も会話の大切な一部です。
相手に質問をした後は、すぐに自分の正解を押し付けようとせず、まずは相手を信じて待ってみてください。
せかすことなく静かに待ってみることで、相手が心の奥底に秘めていた本音や、新たな思いを口にしてくれる可能性が高まります。
先月の「聴くガマン」に続き、今月はぜひ、相手の力を信じて「待つガマン」を意識してみてください。
仕事の場でも家庭でも、そんな心の余裕を持っていたいですね。
