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【あなたの暮らしにコーチング】「対等な関係」〜共に探求するコミュニケーション〜

こんにちは。コーチ・オンリーワン代表の上野和禎です。

私は、国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ、公認心理師、そして社会福祉士という3つの資格を持っています。自発的な行動を促す「コーチング」、心と感情のメカニズムに寄り添う「心理学」、そして人と環境のより良い関係性を支援する「ソーシャルワーク」の視点を掛け合わせながら、皆さんの日常や人間関係を豊かにするヒントをお届けしています。

さて、今回は7月20日にラジオ番組『Morning CloseUP』でお話ししたテーマ、「会話を広げる効果的な質問」についてご紹介します。

先月は、相手に質問した後の「沈黙」を恐れず、相手が自分の答えを見つけるまで「信じて待つ」ことの大切さをお伝えしました。相手の話を最後まで聴き、沈黙を待つことができるようになったら、次は相手からさらに多くの言葉やアイデアを引き出し、対話を広げてみましょう。

目次

「対等な関係」〜共に探求するコミュニケーション〜

こんにちは。コーチ・オンリーワン代表の上野和禎です。
私は普段、国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ、そして公認心理師、社会福祉士としての視点を掛け合わせながら、皆さんの日常の人間関係を豊かにするコミュニケーションのヒントをお届けしています。
本日、8月17日のラジオ番組『Morning CloseUP』をお聴きいただいた皆様、ありがとうございました!
5月は「オウム返し」、6月は「沈黙を待つ」7月は相手の思考を広げる「他には?」という効果的な質問についてお話ししてきました。
今月はこれまでのスキルを根底で支える、最も大切な「関わり方の心構え、姿勢」についてお伝えします。
テーマは「対等な関係」〜共に探求するコミュニケーション〜です。

良かれと思った「アドバイス」が、相手の思考を止めてしまう?

仕事で後輩から相談されたり、家庭でお子さんから何かを聞かれたりしたとき、私たちはつい無意識のうちに「自分が正しい答えを持っている」と思ってしまいがちです。
「こういう時はこうするんだよ」と、良かれと思ってすぐにアドバイスを教えてあげたくなりますよね。
その親切心や責任感は素晴らしいものですが、実はここに、一つの落とし穴があります。
それは、そうやって一方が「教える人」、もう一方が「教わる人」という上下関係の構図を作ってしまうと、教わる側は「言われた通りにやっておけばいいや」と、自分で考えることをやめてしまう点にあります。
今日のラジオでは、パーソナリティのお二人にこんな「職場のあるある」を実演していただきました。

後輩(田中さん):「山本先輩、すみません。今度の新しい取引先への提案書なんですけど、どう進めたらいいか迷っているんです。」
先輩(山本さん):「ああ、それなら絶対に『コスト削減プラン』で提案した方がいいよ!あそこの会社はそれ以外あり得ないから。まずは私が言うように提案書を作ってみて!」
後輩(田中さん):「あ、はい…わかりました……(実は、最近の担当者さんとのやり取りで別のニーズが見えてきていたんだけど、先輩がこう断言するなら、なんだか言いにくいな……)」

先輩は親身になって「コスト削減プラン」が絶対にいいと教えてくれています。
しかし、「これが正解だ」と断言されたことで、後輩は自分が現場で感じていた別のアイデアや、お客様の本当のニーズを言うのを諦めてしまいました。
私たちは「自分の方が正しい答えを持っている」と思うと、つい相手の考えを聞かずにアドバイスをしたくなります。特に上司と部下、親と子といった上下関係では、その関係性だけでも部下や子どもは意見を言いづらいものです。
そこへ一方的に答えを押し付けるような発言をすると、相手は自分で考えることや自分の意見を伝えることを諦めてしまいます。
コーチングや対人支援の世界では、立場に違いはあっても、人としては常に「対等なパートナー関係」であることを非常に重要視しています。
どちらか一方が正解を持っているのではなく、お互いが対等な関係で、一緒に答えを探求する姿勢が大切です。

対等な関係を築く2つの姿勢:「ワンダウンポジション」と「無知の姿勢」

お互いに対等な関係で「一緒に探求する」ために、相談援助や心理カウンセリングの場面でも大切にされている2つの姿勢をご紹介します。

1. ワンダウンポジション
「ワンダウンポジション」とは、言葉の通り、あえて自分を相手より「一段下がった位置」に置いて、謙虚に相手から学ぼうとする姿勢のことです。「私の方が知っている、偉い」という先入観を脇に置き、相手を尊重します。
例えば、部下に対して指示を出すときも、「これについて調べて報告して」と言う代わりに、「これについて調べて、私に教えてくれますか?」と声をかけてみるのです。
自分を一段下げる(ワンダウンする)ことで、相手の受け止め方や主体性は大きく変わってきます。

2. 無知の姿勢(not knowing)
「私は相手の状況についてすべてを知っているわけではない。相手のことは、相手自身が一番よく知っている(=その分野の専門家である)」という前提で関わる姿勢です。
先ほどの提案書の相談であれば、先輩がこのように問いかけます。
「コスト削減プランは良いと思うけれど、実際に最近、お客様の担当者さんと直接やり取りしている田中くんから見て、今の状況はどう見える? ぜひ教えてほしいな。」
こうして「教えてもらう」という姿勢で聞かれると、後輩も「実は担当者さんは、最近ここでお困りのようでして…」と、安心して現場のリアルな情報を話しやすくなります。

家庭での親子関係でも全く同じ

親が子どものことをすべて知っているわけではありません。
子どもに対しても、指示を出す代わりに、子どもの世界を教えてもらう「無知の姿勢」で関わってみてはいかがでしょうか。
例えば、「今、どんなYouTubeが面白いの?お母さんに教えて」と聞いてみます。
子どもは「自分の関心ごとに関心を持って、尊重してくれている」と感じ、自発的に話し始めます。
そして、自分を尊重してくれる親への信頼感から、自分で考える力をどんどん伸ばしていくようになります。

まとめ:自分の正解を少し脇に置いて

会話の中で、つい「教える立場」になって自分の正解を押し付けそうになったときは、この言葉を思い出してみてください。

「指示や命令をして従わせるのではなく、相手よりも一段下がって、相手の世界に関心を持ち、一緒に答えを探求していく」

何気ない日常の会話の中で、少しだけ自分の「正解」を脇に置き、「教えてほしい」という謙虚な好奇心を持って、共に探求する対話を楽しんでみてください。
きっと、お互いの信頼関係がより深まり、相手の新しい一面や素晴らしいアイデアに出会えるはずです。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。今日からぜひ、身近な大切な人との対話で試してみてください。

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